合格が決まった翌月、一番乗りで入寮した私の同室は、数学科3年のU先輩。
「こ、これはっ!普段全く顧みずにいる崇高な存在から下された『数学嫌いを克服すべし!』」との預言?!」だと思ったのだが。
明朗で活動的、かつ勤勉で効率的なU先輩は、長期休みには合宿や公演旅行もあるサークル活動と、家庭教師や塾講師のアルバイトで多忙を極め。結局、数学を教えて戴ける機会には、一度も恵まれなかった。
予備校で、生涯最高と断言しても良いほど、真剣に取り組んでいた時でさえ、悩まされた数学。ゆえに大学合格後の向学心は、推して知るべし。殊に「解析」は、教科書を開いた途端、睡魔に襲われる有様で。
細かい経緯は端折るが、教養の2年間で取得できた数学の単位は、「線形代数1」の2単位だけ(奇跡的に“良”)。けれど、入学したのは理学部であるからして、「解析1および2」「線形代数1および2」の合計8単位を取るのは、まず当たり前。
要するに、理学部生としてあるまじきレベルで、数学が不出来だった訳だ。
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そんなお前が、どうして入学試験に合格できたのか?と問われれば。
志望したのが名古屋大学だったから、とお答えする他、所以が無い。
あ、名大は二次試験(“個別試験”に非ずw )の数学が簡単だった、って事じゃないですよ。実は当時、募集人員の10%を限度として、数学もしくは理科(2科目)の高得点者は、その他の教科の成績にかかわらず、選抜して戴ける“特別枠”があり。
恐らく英語はreasonable、数学は相当残念な結果だったと思われるが。化学・生物が満点に近い成績だったからこそ、合格できたのだろうと自負している。
特に生物は、ほぼ全ての大問が最初に仮説を立てさせ、それを証明する実験を計画させる形式だったから。「屁理屈、上等!」な考察愛好、かつ設計立案が大の好物な私にとっては、試験本番だというのに、答案を書くのが楽しくて仕方なかった。
無論、どんな単元・形式でも、一定のレベルで解答できるのが最善だが。
出題者、すなわち大学の先生がたとの相性が良いからこそ、合格できる。
そして、入学者を選抜する段階から、完成された優等生のみならず、苦手を抱える個性派も、可能な限り受け入れようと努める教授陣だからこそ。入学後も、懇切丁寧に指導して戴けるのではないだろうか?
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個別学力検査では、出題者との対話をこそ楽しもう、という気概を持てれば、勝機が掴めるのではないだろうか?
ただし、名大理学部の“特別枠”は現在、『センター試験を課す推薦入試(定員50名)』で代替されてしまったようなので、ご留意を! 一方、工学部と農学部では今尚、個別学力検査によるセンター試験“リベンジ枠”が、設定されている。
詳細は『平成27年度 入学者選抜要項』でご確認の上……
個性豊かに学んできた受験生こそ、母校を志望して下さる事を願っている。
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