2015年10月27日火曜日

この親にしてこの子あり

『お元気になられてなにより』

更新再開後の記事をご笑覧下さった方から、こんな優しいお心遣いを戴きました。

確かに、原稿できなかった事情を『同級生の皆さんに後れを取りやしないか、と気を揉んで』と綴りましたから。“普通”のお母様がたなら「気を揉む→心配が嵩じる→不安が募る→元気が無くなる」状況だったでしょうね、言われてみれば。

されど憚りながらヒルマ小母ちゃんは、時に「筆者は男性」と勘違いされちゃうほど、筋金入りの「いけず」なメタ認知を備えた理系女子。しかも“普通じゃない”事象にこそキラ〜ン!と眼が輝いちゃう、好奇心主導な元実験研究者ですので……

この十数年間、試行錯誤を重ねてきた“自家製療育”の過程で、自分なりに日々考察を続けてきた結果、抽出に至った

 メタ認知・感覚情報の共有力・行動化の瞬発力が、全て揃えば
 感覚や認知に凸凹があっても、ライフを溜めて成長して行ける

という『理 (ことわり)』を、サポートセンター名古屋ヒロさん達だけでなく、娘も実証してくれるだろうか?という不遜なワクテカ感の方が、ぶっちゃけ勝っておりまして。

ぃや〜むしろメチャメチャ元気でしたね〜w 当時のツイート再録編集してたら、いつまで経っても原稿作業が終わらなくて。自分の字書き厨っぷりにエエ加減腹立ってきたくらいw 実はずぅっと元気でした(テヘペロ) せっかくいたわって戴いたのに、恐縮の極みです。

原稿へ集中しかねた経緯を、具体的に補足すれば。

補欠合格で辛くも入学を許された大学へ進む、という彼女にすれば生まれて初めての「背伸び」をした娘が、『失敗しない経験』を積めるよう、青木先生のアドヴァイスを参照させて戴きつつ、心配ならぬ“心配り”すなわち配慮にこそ注力しておりました。

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しかし、蓋を開けてみれば……

さすがは最大事業規模を誇るトップ型スーパーグローバル大学が、総力を上げて取り組んだユニバーサルデザインに基づく学内SNS……なんて書くと、ワケ判りませんけどw
要するに、世界中から数万人の学生院生が集うマンモス大学なればこそ、“多様性”への配慮は、必然的に大学経営の根幹となる次第らしく。

スマホでもパソコンでも端末の操作さえできれば、履修登録その他諸々の手続き一切は、自宅でも自習室でも本人が落ち着ける場所で、済ませることが出来ましたし。

いざという時に相談できる・情報提供や啓発活動も行っている「障がい学生支援室」が設置されており、昨年から発達障碍への対応も始動したことが分かりましたし。

新入生は担任教授が指導して下さる「基礎ゼミ」で、週に一度は同じ顔ぶれのクラスメイトと学習法やデータ解析を履修する上、高校から引き続いて茶道サークルへ入会させたので、『知り合いをつくること』もバッチリ完了。

クラスでは級友にパソコンの使い方を、サークルでは初心者にお点前の所作を、請われて教える“役割”が天然自然に実現し、『具体的な所属場所』を確保できました。

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でも、いちばん肝要だったのは……

初めての場所でも、読書をしたり・文章を書いたり・公共交通機関を使えたり
ひとりで群れずに行動できる力を、十数年間かけてジックリ育て上げたこと。

ひとつひとつ丁寧に煉瓦を積み上げて、狼の息で吹き飛ばされたりしない
丈夫なおうちを拵えるように、堅牢なメタ認知を時間をかけて構築し……

周囲の“普通”の人達が、受けているであろう感覚情報を推察・共有しつつも、自分の成長に必要な決断は、遠慮せずに敢行できる行動化の瞬発力を、親が自ら手本を示しつつ、焦らず根気よく育ててきたことだと、私は思うんです。

もし、あなたのお子さんが、
詳しい検査、または定期的な観察、もしくは療育を勧められたら……

親御さんご自身が、初めての場所でも・群れずに行動できる“なにか”を
お子さんと一緒に楽しむことから、“自家製療育”を始めてみて戴きたい。

当事者でも支援者でも、専門家でもないからこその、ご提案です。


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