先月末、名古屋へ赴いた際、サポートセンター名古屋の事務所までお邪魔して、一階受付でご対応下さったスタッフ様に言づけさせて戴いた、とある自主制作マンガのこと。
その本へ添えたお手紙、若干の改稿・補足を加えて再掲しておきます。
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ヒロさん、大統領さん、
俊介さん、大野さん、名無しさん、
そしてブログには登場していないけれど、
青木先生はじめサポートスタッフの方々が
この本を読んで戴きたいと判断なさった皆さん、
いつも大変お世話になっております、ヒルマです。
この度、ご紹介致します『Artiste アルティスト』という作品は、
「さもえど太郎」というペンネームを名乗ってらっしゃる女性が
“自主出版”したマンガです。
商業作品ではないため、一般には市販されていません。
今年8月に東京で開催された展示即売会「コミティア」で発行・頒布、
現在は、アリスブックスで委託通販なさってます。
また、第1話・第2話は、ウェブでも公開されています。
#作品の閲覧には、pixivアカウントが必要です。
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主人公の名前は、ジルベール・ブランシャール。
フランスはパリの有名レストランで皿洗いをしている、27歳の青年です。
第1話を読んで戴くと、彼がどんな人物なのか判ってくるのですが……
少しだけ種明かしをすると、どうやらジルベールも『五感に凸凹がある』
みたいなんです。
でも、作者の「さもえど太郎」さんは、
発達障碍に、特段の興味を持っておられるご様子でもなく
キレイな風景とか…美味しい食べ物とか…正しい人々とか…という動機で、この物語を構想しはじめたそうです。
そういうのだけで構成されてる漫画を描いて癒やされよう
なぜ『五感に凸凹がある』主人公の漫画を描くと癒やされるの???
皆さんにとっては、そこが大いに疑問かもしれませんけど……
『五感に凸凹がある』ゆえに、アッチへぶつかったりコッチでつまずいたり。
普通じゃない人生を歩んでいる、ジルベールのような“特性”を持つ人たちこそ
「正しい人々」だと考え「描いて癒やされ」こうして本を出版しちゃうほど、
愛おしく大切に思っている女性が、現にいらっしゃるんですよ、世の中には。
しかもこの作品、昨年8月にpixivで公開された第1話が、現在では
閲覧数 約14万回・ブックマーク数 約1万4千件を数える大人気!!!
それほどたくさんの読者の皆さんも、『Artiste アルティスト』に登場する
ジルベールやマルコを、大いに好ましく愛らしく感じてらっしゃるわけです。
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じゃあ「さもえど太郎」さんは、一体どこで・どうやって
『五感に凸凹がある』人たちの特性をこんなにも深く精緻に識り、
細密かつ魅力的な登場人物として、描き出すことが出来たのか?
巻末に参考資料として記載された数々の映画が
『五感に凸凹がある』人たちこそ、
キレイな風景や美味しい食べ物と同じく
疲れた心を癒やす「正しい」存在なのだ
と、彼女に気付かせてくれたみたいです。
以前、青木先生が、恋愛を学ぶため映画を“教材”にするお話を、
ブログで綴ってらっしゃいましたが。
「さもえど太郎」さんが創作した物語の“教材”になった
『五感に凸凹がある』人たちが活躍する映像作品も、
併せてご参照戴けますと幸甚です。
最後になりましたが、サポートセンター名古屋に集う全ての皆様へ……
感覚と認知の凸凹があっても、当事者さん各々の最善を尽くせば
困難を背負って猶、社会に貢献できると実証して下さっている旨
心底より尊敬と感謝の意を捧げます。
2015年9月吉日
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