昨年夏には「みんなと同じ」ペースで大学から卒業見込のお墨付きを頂戴できましたが、ニッチな専門職に一旦就いたあと学資を貯めて留学するという自己投資の覚悟へ娘が到れた旨を幸い、夏休みから年末まで研究調査と論文執筆にガッツリ注力していました。
えぇっ?! さすがに4回生の夏には就活を始めさせなきゃマズいんじゃ?と思った親御さんがたには、僭越な物言い不躾ながらその附和雷同こそ「就活がうまく進まない」原因。「みんなと同じ」教育課程で積める「普通」の経験を通過させただけでは、いかに優秀な学業成績を修めていようと人間としての不備不足を抱えたまま長じてしまうのが、定型の枠を大きく外れたPolymorphous Developments=多様性発達者なのです。
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2019-02-05
30年間ひきこもった人の悲しさが わかりますか。ドラゴンズ
『高校に行っても、誰も友達は できませんでした。どうしてなのか と青木先生に聞かれたけれど、「わかりません。」と 答えておきました。
「家で何をしていましたか?」と聞かれたので、「毎日ゲームをしていました。」と答えました。何もしないと、気が狂いそうだったので、ゲームをやることで頭を正常に保っていた。
「あまり過去のことを聞かれたくないので、もう やめにしてもらっても いいですか?」
「どうして過去のことを聞かれたくないのか」と聞いてきたので頭にきました。「嫌なものは嫌なんです。」と答えたけれど、「それは答えには なっていない。」と言われました。
「楽しいことなんか何もなかったんですよ。30年間ひきこもって楽しいことがあると思いますか。なのに なんで そんなことを聞くのですか?」と聞きました。「過去のことなんか どうでもいいようにと思えることが できる為の準備をしています。」と青木先生は言いました。
難しいことをいう人だな と思いました。でも、この人の言うことを聞き逃さずにいる と決心していますし、信用もしていますので、過去のことを聞かれた時の為の準備をしよう と誓いました。
でも今回は もう限界でしたから、やめにしてもらいました。
部屋に帰っても、頭の中では青木先生との話が続いていました。「30年間ひきこもっていた人の悲しみや辛さが あなたには わかりますか」と僕は怒鳴った。
「何も ないんです。何も ないんですよ。時間を返してくれ。どうして こうなったんだ。」』
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先日「東大さん」こと大野さんが書いて下さった記事で、青木先生から勿体なくも過分なお褒めを頂戴したヒルマ小母ちゃんですが、本日は青木先生がドラゴンズさんへ返したお答えに「うーん」と唸らされるばかり……
ぃやぁ痺れました! 当事者さんとの雑談さえ『過去のことなんか どうでもいいようにと思えることが できる為の準備』なんですよ! たとえ現状のドラゴンズさんには『難しいことをいう人』という心象しか生じ得なかったとしても、『この人の言うことを聞き逃さずにいると決心』させた、ご覚悟の尊さをバッチリ垣間見させて戴きました。
そして『30年間ひきこもっていた』ドラゴンズさんの『悲しみや辛さ』は、たいへん残念ながらヒルマ小母ちゃんには、「わかりません。」
じゃあ一体なぜ『すごいな、この人。わかっていらっしゃる!!』と青木先生から褒められたんだよ?とツッコまれそうですが、何十年という長い時間に渉って社会から物理的な距離を置く他に、生きる術を見失ってしまった当事者さんの悲しみや辛さや怖さを、私は「わからない」という事実が「わかっている」からこそ、私の心に「わかりたい」という好奇心が湧き上がり「わかっていたら…」と妄想する敬愛が醸成されるのです。
ドラゴンズさんが訴えてらっしゃるとおり、『30年間ひきこもっていた人の悲しみや辛さ』の一部始終を完全に「わかる」人は、ドラゴンズさんご自身が唯一です。
同じく30年近くひきこもっていた大野さんでさえ、ドラゴンズさんの心情を全て「わかる」ことはきっと不可能でしょう。ドラゴンズさんと大野さんは全くの別の人格を、お持ちなのですから。なればこそ私は、ドラゴンズさんご自身の言葉で綴られた『30年間ひきこもっていた人の悲しみや辛さ』を、「わかりたい」し「わかっていたら…」と妄想したい。人間が社会を作った所以は、本来そんな理由なのだと私は考えています。
これまでの記事を拝読した限りですが、ドラゴンズさんは大野さんよりずっと五感や認知の凸凹が小さいのではと、私はお見立てしております。ならばどうして大野さん同様に30年も、ひきこもってしまったのか? 詳しいご事情はご自身の文章に語って戴く機会を待望すべき処ですが、私の直感では、育ちに関わった大人の皆さんが悉く「わかったつもり」でおられた旨が、万障の元となってしまったようにも拝察しております。
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