2018年12月24日月曜日

自己理解の源は成功ジャナクテ失敗

消費者向けGoogle+が来年8月で廃止されるとの報を受け、いつも拙文へのご愛顧を賜っておりますサポートセンターのブログ『発達障害な僕たちから』へのコメント寄稿は、今後暫定的にBloggerへ移転してみます。ひとまず新設した「コメント」というラベルで記事を一覧できますが、ご不便の点がございましたらご遠慮なくお知らせ下さい。

また過去2年半分の拙ポストにつきましては、ブログ『発達障害な僕たちから』でご引用戴いた文章を中心に、重要と思われる論考を少しずつBloggerで再録していこうと考えています。こちらの対策も、ご意見・ご要望がございましたら是非お申し付け下さい。

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2018-12-24
笑ってください、僕の馬鹿さを。山田

僕たちのようなタイプの人たちは、目に見えないものはないものと同じだということなので、戸棚にしまうのではなくて、ラックに置いて いつでも見えるようにしておくことが大切だ とスタッフから教わりました。 
それで、僕はホームセンターに行ってラックを買いました。
ちょうど、展示品ということでラックが安売りをしていました。 
それを購入したのですが、ホームセンターのスタッフが分解しようとしたのを見て、僕はストップをかけました。 
僕は組み立てられないのです。
そのことをスタッフに伝えたら「簡単だよ。5分もかからないさ。小さな子どもだって できるんだから。」と笑って僕に言いました。 
「その小さな子ども以下が僕なんだよ!!」と心の中で叫びました。 
分解させない理由を考えました。
「僕は とても忙しい人間なんだ。5分という時間がないから そのまま持って帰るね。」
ホッとしました。 
レジでお金を払いタクシー乗り場で待っていると あることに気づきました。
「このままではタクシーには乗らないです。」
仕方がないので、売り場に戻り、スタッフの人に上だけ取ってもらって小さくしてタクシーに乗って帰りました。 
サポートセンターのスタッフからは「分解なんかが必要な時は必ず、分解前の写真を撮っておきなさい。」と言われていましたが、携帯が充電切れで写真を撮れませんでした。 
自分の部屋に帰って、組み立てようとしたら、1番上の部品がありません。
タクシーは降りる時に3度 見直しました。
だから、分解したときに、スタッフが入れ忘れたのです。 
こういうことが あってはいけないので、念には念を入れて、このざまです。やっぱダメなんだ。

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おそらく親御さんも支援の専門家も、ご自分の五感や認知だけを鑑みて「失敗体験を上回る成功体験があれば自信がつくはず」とお考えになってしまう方々は、当事者さんの『小さな子ども以下が僕なんだよ!!』『やっぱダメなんだ。』『こんな人間は生きてはいけない』『この世の中から いなくなった方がいい』『こんなバカはフィリピンに来ても何も変わらない。』といった自暴自棄な独白が、かわいそうで気の毒で居たたまれないあまりに「失敗体験を上回る成功体験があれば」と思ってしまうのでしょうね。

されど生来の五感や認知に凸凹を抱えるゆえ「みんなと同じ」育ちが叶わなかった、すなわち発達障害と称された当事者さんご自身の五感や認知に寄り添うと、彼らにとっては「失敗体験を上回る成功体験があれば」との設定が無理ゲーだと分かってきます。

だって「失敗体験を上回る成功体験」を積ませるためには、現在の当事者さんが間違いなく出来ることしか経験させられなくなってしまう。それは山田さんならご自身でも『小さな子ども以下』と重々承知しておられる、『片付けの仕方をしらない』どんなに簡単な物でも『組み立てられない』『できないことが たくさんありすぎて、歳だけとって中身は空っぽな人間』として生き続けろと命じているも同然の残酷な仕打ちです。

傍にいる者がかわいそうで気の毒で居たたまれなくなるほど、自暴自棄な当事者さんの独白は全て反語ではないかと私は理解しています。『小さな子ども以下が僕』は「僕は小さな子どもじゃない!!」と読み解くべきですし、『こんな人間は生きてはいけない』『この世の中から いなくなった方がいい』は「この世の中で生きていける人間に成長したい!!!」と、『こんなバカはフィリピンに来ても何も変わらない。』は「せっかくフィリピンまで来たんだぞ。何としても変わってやる!!!!」と聴き取るべきではないか。

Mr. Joeが綴って下さったとおり『自信は自分で勝ち取るもの』ですから、たとえ親御さんでも支援の専門家でもご自分の五感や認知だけを鑑みて、勝手な条件を設定なさらないで戴きたい。「みんなと同じ」育ちを辿ることが叶わなかったほど生来抱える凸凹が大きいのですから、失敗の方が成功を上回る旨こそ自然と捉えるべきですし、殊に支援の専門家を名乗る向きには当事者の真意をこそ汲む力をぜひ備えて戴きたいものです。

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