また過去2年半分の拙ポストにつきましては、ブログ『発達障害な僕たちから』でご引用戴いた文章を中心に、重要と思われる論考を少しずつBloggerで再録していこうと考えています。こちらの対策も、ご意見・ご要望がございましたら是非お申し付け下さい。
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2018-12-18
安心して働ける雇用形態の職業を目指したい。ヒロ
『再びサポートステーションを訪れたスギさん。
担当のキャリアカウンセラーには、その後、何度も相談にのってもらいました。
そしてスギさんの決断は「ITの専門学校に行き、資格をとって就職する」でした。
ご両親に相談すると、挫折して再び ひきこもることを心配したご両親は、アルバイトのままで勤めることを勧めました。
キャリアカウンセラーの丁寧な説明で、ご両親は、ITの専門学校に行かせることを承諾しました。もともと大学に行くための費用は手付かずだったので、その費用で専門学校の授業料を払うこともできました。
めでたし、めでたし。
では ないのです。
キャリアカウンセラーから言われた言葉は とても重いものでした。
すでに30歳近くになっていたスギさん。
専門学校を卒業しても就職できるとは かぎらないのです。
やはり企業は新卒を取りたいからです。しかも、履歴書に空白があるスギさんは、すでに大きなハンデイキャップがあるのです。
しかし!!
抜け道は あるのです。
「1年間は、必死で勉強しなさい。2年になったら、アルバイトをしなさい。アルバイトはIT系の会社で、それも最近立ち上げたばかりの小さな会社にしなさい。」
「そこでは、こき使われるけれど、なんでもかんでも やらなきゃいけない。でも、それで足りなかった経験値が補えるのです。」
「就職も大手会社に入りたい と思うけれど、今の このご時世、特にIT関係は自分に実力をつけていくしかない。実力さえあれば やっていけるんだ。」』***
なるほど、なるほど……
ヒロさんは最初に『勝手に想像』『全てフィクション』と但し書きしておられますから、もちろん理想の翼を自由に羽ばたかせて下さって大いに結構なのですが。
たとえ『全てフィクション』だとしても、この物語をハッピーエンドへ導くには「なぜか当初のカウンセリングでは、飲食店の調理バイトを斡旋されたスギさんだったが、実はプログラミングのコードを書くことなら寝食を忘れて夢中になれる、秘められた職業適性があったのだ!!!!」てな感じの、チート設定が必要になってしまう気がします。
と申しますのも、ひきこもり当事者さん(の一部)にIT系の仕事が向いている、という件は支援の場で常識化していますから、最初にサポステで相談なさった際に必ず検討されたはず。にも関わらず斡旋されたのが飲食店での調理バイトだった経緯は、ご本人が全く興味を示さなかったか適性は高くなかった旨を示唆していると推察されるのです。
となればヒロさんが『勝手に想像』なさった『1年間は、必死で勉強し…2年になったら、アルバイトを…IT系の…立ち上げたばかりの小さな会社』で『こき使われるけれど、なんでもかんでも』やって実力をつけるという「抜け道」は、スギさんにとって相当な無理ゲーでしょう。ゆえに『全てフィクション』だとしても、この物語を説得力のあるハッピーエンドへ導くには、上記のようなチート設定が必要になってしまう次第。
仮にヒルマ小母ちゃんがヒロ師兄に倣って妄想の天空を自在に飛行するなら、スギさん担当のキャリアカウンセラー氏に『調理の仕事には自信があります。』という言葉を是非掘り下げて戴きたい。つまりスギさんの「自信」をもっと具体的に、例えば「同じ料理を何十皿作っても飽きない」とか「レシピを精確に再現するのが得意」とか、調理の仕事で彼が「好きなこと・得意なこと」は何なのかを詳しく分析して欲しいのです。
その上でキャリアカウンセラー氏には、例えば外食産業のメニュー開発部門責任者とか大規模ホテルの会食調理責任者とか、「同じ料理を何十皿作っても飽きない」「レシピを精確に再現するのが得意」という適性の貴重さを好評価して下さる人脈へ、お問い合わせ戴きたい。つまりスギさんにぴったりの、メンター候補へご紹介願いたいのです。
しかしヒルマ小母ちゃんが『勝手に想像』した「抜け道」も、鬼のような面談スケジュールで多忙を極めているであろうキャリアカウンセラー氏に、ニッチな専門職のメンター候補へ人脈を築かせようと目論んでいる点が、やはり相当な無理ゲー。無料の公的な就労移行支援には到底望めない、物語の中だけで成立するチート設定なのでしょう。
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