2019年3月5日火曜日

たったひとつの冴えた子育て

たぶんほとんどの親御さんは、自己投資という言葉に「ウチはお金が無いから…」と応じてしまわれるように拝察します。でも、投資できるのはお金だけじゃありません。時間も好奇心も敬愛も、日々の営み全てを何に投資するか?という発想が大切なのです。

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2019-03-04
みなさんで知恵を出し合って 
ひきこもりの問題を解決しませんか? ヒロ

僕も大統領も、あと誰か忘れたけれど、サポートセンターで出会った他の連中も全て、ゲーム依存から脱却しています。    
それには、現実の世界で楽しいことや夢中になれることを教えてあげることなんです。   
ね、簡単でしょ。   
しかし、お父さん、お母さんは頭を抱えてしまうでしょう。「ゲームより楽しいことって なんだろう。」って。   
だって、僕たちの両親は、子どものために働いて、家事をして、自分たちが楽しむことを犠牲にしているからね。   自分たちに楽しいことがないと、子どもには教えられないよね。    
まあ、そんなことを言っていても しょうがないので、ここは1つ知り合いやの人たちに情報を拡散して、楽しいことを見つける努力をしてみてください。  
 何か見つけて、見事ゲーム依存から脱却した暁には、ぜひレポートをお願いします。    
みんなで知恵を出し合って、〈ひきこもり〉〈家庭内暴力〉〈無気力〉な子どもたちに手を差しのべてあげましょう。 難しい問題では ないのです。もっとも大変なことは、大変な子どもを持つ ご両親の状況です。ギリギリのところで、毎日頑張ってみえる お父さんに お母さん。   
そんなご両親を、まずは楽にさせてあげないといけない と僕は思うのです。

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そうです、そうです!
他の兄弟とは違うことを親御さんがたにご理解いただきたい!とか、母親がこうすれば子どもはより良くなります!というのは全く以て正論なのですが、『ギリギリのところで、毎日頑張ってみえる お父さんに お母さん』へ向かってそう訴えかけてしまうと、意図に反して親御さんがたをますます追いつめることになってしまいますからね。

なればこそヒルマ小母ちゃんは、「我が子に対する不安を克己できた親御さん」の候補に巡り逢えたとき、真っ先に「お母様をこそ楽にさせてあげないといけない」という発想で、私の時間や好奇心や敬愛を傍目八目なお節介ながら投資させて戴きました。

上記リンク先のブログへ、小母ちゃんが「ヒルマ」と名乗ってコメント寄せさせて戴いた3年間の経過が、まさしく『何か見つけて、見事ゲーム依存から脱却した』レポートになっています。叶いましたらお時間許す範囲で、お目通しを戴けますと幸甚です。

障碍と見立てられるほど大きな凸凹を生来抱えるお子さんは、「これは家族の問題だから、自分たちで解決しなければならない」と親御さんが秘匿するのでもなく、子育ての勉強会へ通ったり心理職の資格を取ったり親御さんご自身へ自己投資するのでもなく、ヒロさんが綴って下さったとおり『みんなで力を合わせて』『みんなで知恵を出し合って』育んでいくのが、たったひとつの冴えた子育てと私もずっと考えていたのですよ。

【拙ブログの関連記事】『親の光は七所照らす』 『“合理的配慮”てコレやがな!

2019年3月4日月曜日

リスクと戦う「自己投資」

サポートセンターの2月度無料相談会に参戦すべく、日本へ一時帰国なさっていたヒロさん東大さんも、無事にフィリピンへ戻られたようですね。毎度、拙ブログのご閲覧をありがとうございます。

拙宅の娘もお蔭様で、4月から始まる新生活の準備に取りかかれる所まで、やっと漕ぎ着けました。しばらく当方の記事更新が滞ることもあるかと存じますが、どうかご容赦のほどお願いいたします。

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2019-03-02
こんな俺でも幸せに なった。
だったら あなたは もっと幸せに なれる。ヒロ

あれから15年が たった。   
家族と過ごした 15年。青木の おっさんと過ごした 15年目の今。    
俺と 家族と 支援者の 15年。   
 色々な視点から思うところを書いてみたい。もちろん、ハゲにも正直な気持ちを教えて欲しいと思っている。   
俺の小っ恥ずかしい過去の出来事が 誰か別の当事者の親子に お役に立てればと思っています。希望は あるのです。こんな俺でも、今は とても しあわせなのです。   
だったら、あなたは もっと幸せになれますよ。

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2019-03-03
もう一度大学へ、自己投資のすすめ。ヒロ

僕は もう30です。残念ながら、新卒採用の機会を逃してしまいました。まあ外国では あまり関係ないのだけれど。   
でも、自分で自分の道を切り開いていこう と決断したのです。もちろん、程度の悪いアスペルガーは変わりありませんので、1人では無理です。   
引き続き、サポートセンターの皆様と 今までに出会いました皆様のご協力、ご指導を いただきたいと願っております。  
 僕は、今まで以上に、自分の将来に希望を持っています。もう、過去のことを思い出すこともありません。   
いじめられたこと。小、中不登校。警察沙汰。   
失敗したことは もちろん忘れてはなりません。  しかし、おぞましいと感じていた過去の出来事は、それはそれで僕には必要だったんだ と思えるようになりました。   
そうです。過去に起きた出来事は、変えることは できません。しかし、それをどう受け止めるかということは、変えることが できるのです。本人が そう思えるならば です。   
一切の束縛から、僕は解き放たれたようです。今後とも真人間として、社会に貢献できるような人間になります。   』

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そうです、そうです!
他の兄弟とは違うことを親御さんがたにご理解いただきたい!というのは、全く以て正論なのですが、生来大きな凸凹を抱えたお子さんご自身が『そう思える』メタ認知を育むまでに導くことは、「ひとりっ子」の環境を用意しないと極めて難しいでしょうね。

ヒロさんが再び大学へ、しかもフィリピンで「私学の雄」と称されるような『1番評価が高い』最高学府を目指す決意をなさったことは、昨年末の「自己投資宣言」の時からヒルマ小母ちゃんは拝察しておりました。そのさらに10ヶ月ほど前、拙ブログで『支援は 続くよ どこまでも』と題した記事を公開した際に、そちらのブログへも非公開で
ご家庭の事情から小学生で育ちの環境が損なわれてしまったヒロさんは、サポートセンター名古屋の支援へ繋がれた時から、改めて義務教育の課程を学び直したようなもの。 
小学校入学から大学卒業まで日本では通常16年掛かるところを、13年で大学を卒業し一般枠でインターンに採用されたのですから、3年飛び級をしたも同然と私は思います。 
まだ失敗することが怖くて仕方ないあまり却って失敗を重ねがちなヒロさんですが、この3年間を失敗に踊らされない「人格」を育むための「経験」へ充てれば、『6年後、必ずや勝利すべし』と「珍」さま同様ヒルマ小母ちゃんも信頼申し上げております!
とコメント寄せさせて戴きましたが、3年間ではなく2年で『失敗して、注意を受けることが極端に減りました。』すなわち『失敗に踊らされない「人格」』を成長させるまでに到れたのですから、青木先生が仰ったとおり本当に『素敵なこと』だと思います。

さて先月上旬『残りわずか一ヶ月半となった大学生活でも彼女ならではの、有り難い「福」に恵まれそうな気配を感じさせて戴いて』いる、と綴った拙宅の娘は?と言えば、ヒロ師兄に負けず劣らず意想外の波瀾万丈を経て日本の「私学の雄」卒業をやっとの思いで獲得いたしました(あぁ〜しんどかったぁ〜w)。

しかしどんな大失敗をやらかそうと決して附和雷同せず、独自のペースで粛々と「好きなこと・やりたいこと」へ注力できる堅牢な自他認知を、娘に育むことが叶った旨こそ『彼女ならではの、有り難い「福」』だったと改めて学んだ私は、ヒロ師兄や青木先生と同じく『今まで以上に、将来に希望を持っています。』

まずはヒロ師兄やMr.Joeに倣ってニッチな専門職の見習い修業を積んだ数年後こそ、娘自身がリスクと戦う自己投資へ歩を進める好機と、疾うに覚悟を据えているからです。

【拙ブログの関連記事】
成長の標は成功ジャナクテ自己投資』 『成長の証は成功ジャナクテ自他認知

2019年3月2日土曜日

ひとりっ子 にしてみませんか?

当事者の皆さんが、ひきこもりへ到ってしまった旨に理由があるように、皆さんの親御さんが、我が子への対応を誤りひきこもりを長期化させてしまった旨にも理由があります。当事者の皆さんが、大きくて深い不安ゆえひきこもってしまったように、親御さんも、我が子に対する不安があまりに大きく深かったゆえ対応を誤ってしまったのです。

だとすれば、我が子のひきこもりに悩む親御さんへの最善最上のサポートも、当事者の皆さんに対する最善最上の支援と、同じやり方を踏襲すればいい。

それが私の、この数年間に渉り敬愛するブログ『発達障害な僕たちから』で学ばせて戴いたお蔭様で得ることが叶った、たったひとつの冴えた結論です。

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2019-03-01
母親が こうすれば 子どもは より良くなっていく。ヒロ

母親は、俺を なんとしてでも よくしよう と思ったんだ。  
 俺を叩いた。蹴った。ご飯を与えなかった。    
方位、先祖のたたり、栄養学、スーパーカウンセラー。 
色々と考えたんだ。  しかし、それは俺をさらに追い込むだけとなった。   
母親が関わって、何も良い方向には向かわなかった。それどころか、俺の状態は悪化していくばかりだった。 
父親は支援者めぐりをしていた。  結局どこも支援をしてくれなくなった時に、医者からの紹介を思い出した父。 
「そうだ、サポートセンターに行こう。」   
家族のように接してくれた スタッフたちや青木のおっさん。彼らは13年間、片時も離れず一緒に居てくれた。   
俺はインターナショナルハイスクールを卒業した。フィリピンの大学で学生代表にも推薦された。そして卒業。   
就職も できた。(やめさせられたけど。)   
10代の頃の俺とは 違う俺がいる。   
2019年春。   
今こそ、子どもを手放してみましょう。子どものためにも、両親のためにも、他の兄弟のためにも。

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そうです、そうです!
他の兄弟とは違うことを親御さんがたにご理解いただきたい!というのは、全く以て正論なのですが、生来大きな凸凹を抱えたお子さんに「みんなと同じ」ことを易々と出来るごきょうだいがあったとすれば、どうあっても比べずにはいられないのが親御さんの人情。なればこそ、お子さんを手放してメンターへ預け、ひとりっ子と同じ環境で育むことが『子どものためにも、両親のためにも、他の兄弟のためにも』最善でしょう。

そして、我が子のひきこもりに悩む親御さんへの最善最上のサポートは、ひきこもった(あるいは、ひきこもりのリスクを抱えた)我が子に対する不安を克己できた親御さんでなければ、実現し得ません。なればこそ、ヒロさんのお父様の「これは家族の問題だから、自分たちで解決しなければならないこと。」とずっと思っていたけれど「もっと早くに家族以外の人に助けてもらうべきだった。」というご証言が、強い説得力を有するのです。

いつだったかヒロさんも書いてらっしゃいましたが、ヒロさんとお父様がタッグを組めば、最善最上のひきこもり支援を拡散普及する上で最強最高なのでは……と密かに妄想をふくらませておりますヒルマ小母ちゃんです。

【拙ブログの関連記事】『うまくいっちゃう文化』 『メンターをさがせ!

2019年3月1日金曜日

ひとりっ子のアドヴァンテージ

当事者の皆さんが、ひきこもりへ到ってしまった旨に理由があるように、皆さんの親御さんが、我が子への対応を誤りひきこもりを長期化させてしまった旨にも理由があります。当事者の皆さんが、大きくて深い不安ゆえひきこもってしまったように、親御さんも、我が子に対する不安があまりに大きく深かったゆえ対応を誤ってしまったのです。

だとすれば、我が子のひきこもりに悩む親御さんへの最善最上のサポートも、当事者の皆さんに対する最善最上の支援と、同じやり方を踏襲すればいい。

それが私の、この数年間に渉り敬愛するブログ『発達障害な僕たちから』で学ばせて戴いたお蔭様で得ることが叶った、たったひとつの冴えた結論です。

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2019-02-28
他の兄弟とは違うことを ご理解ください。ヒロ

僕の母親は、僕が良い成績を取ることを望んだ。父のように大手の企業に入社できるのだからと よく僕に言った。   
しかし、母の願い通りには ならなかった。それどころか、警察にお世話になるような人間に なってしまった。   
母にも僕にも 希望は なくなっていた。    
僕は発達障害の2次障害で、家庭内暴力や ひきこもっている子どもを持つ お母さんの相談に多くのった。   
そして、そこで、昔の僕の母親と なんども出会った。お母さんたちは、僕に言う。「息子のために なんとかしたいと思って。」   
その言葉を聞いた僕は、ただ深いため息を つくしかなかった。    
今日も日本のどこかで、同じ光景が繰り返される。    
心から願っています。母と子が ともに笑いあう時が来ることを。

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いずれは
2019.02.27 03:47

自分の場合、大人が正直でない部分が 許せなかった。 何かしら 欺瞞がある。 
ですから、自分は息子には とにかく正直に接しました。「お父さんは一般的な意味で昔から やる気がないんだ」とか「人と普通に つきあうのさえ苦手だ」とか、いわゆるマイナス面も正直に話してきました。 
「小学生時代 万引きをした」「いまも 蒸発願望がある」・・・そんなことまで理由や感想を交えて話した。欠陥だらけの人間(私)が、何とか世間並みになろうと悪戦苦闘してきた経緯を息子は ずっと聞いてきた。そこにある種の可能性や 生きることの切なさや 物悲しい応援の気持ちなどを 見つけてくれたのではないか と感じます。 
  少年時代、お前のためなのだから という大人たちの言葉の中に別の要素が宿っていることを私は つねに感じました。やる気のなさを楽しんでいる時期の私に「少しでも上をめざせ」と叱咤激励するのは、完全に そっちの都合じゃないか と考えたものです。 
 いずれにせよ、10代は相当なものでした。それが あるところから落ち着いて両親とも話せるようになった。あのころの私よりは、みんな まともだと思いますよ。

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以前のヒロさんは、心を大きく揺さぶられる出来事に遭うと決まって、『俺』『僕』『おいら』という3種類の一人称が混在する文章を書いておられました。私はそれを、ヒロさんのメタ認知が未だナイーヴであるゆえに人格全体を俯瞰できていない証左と拝察していたのですが、今回の記事は完璧に『僕』だけで書き通していらっしゃいます。

昨年末の「自己投資宣言」以来、沈黙を保ち続けておられたヒロさんが再登板なさった記事に対して、ヒルマ小母ちゃんから『わずか1ヶ月の間に理知的で洗練された筆致へ急変なさった』『これまで13年間受けてきた支援の「本懐」を『やっと この私も理解した』顛末、すなわちメタ認知の完全覚醒』とコメント寄せさせて戴いた所以ですね。

そして、メタ認知が人格全体を俯瞰できるまでの成熟へ到れば、『家庭内暴力や ひきこもっている子どもを持つ お母さんの相談』に乗る中で『昔の僕の母親と なんども出会った』としても、大声を出したり物に当たったりブログへ記事を延々と書き続けたりすることもなく、青木先生と同様に『ただ深いため息を つくしかない』境地へ達する旨も、重々お分かり戴けたことと拝察いたします。

私が昨日の記事へ綴ったように、我が子のひきこもりに悩む親御さんへの最善最上の支援も、当事者の・当事者による・当事者のための支援でなければたったひとつの冴えたサポートにはなり得ないでしょう。つまり、ひきこもった(あるいは、ひきこもりのリスクを抱えた)我が子への不安を克己できた親でなければ、お母様がたをサポートする側にはなれないのですから、心から『母と子が ともに笑いあう時が来ることを』願うなら、先ずヒロさんご自身が我が子に対する不安を克己できた親となる旨こそ必要なのです。

という次第で本日は特別に、常々ヒルマ小母ちゃんが「心の師匠=メンター」と仰いでおります、Z会渋谷教室長・長野正毅先生のブログからも引用させて戴きました。この一節、きっとヒロさんの心は激しく共鳴して下さると、私は信頼申し上げております。

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長野先生にしても、昨日の記事で触れた「我が子に対する不安を克己できた親御さん」の候補にしても、あるいは不肖ヒルマ小母ちゃんのケースも、共通しているのは「ひとりっ子」である点です。きちんと統計を取ったわけではなくネットの渉猟で得た私見に過ぎませんが、生まれながらに大きな凸凹を抱えるお子さんと『とにかく正直に接する』には、「ひとりっ子」であることの寄与が大きい旨はご納得戴けるかと思います。

ヒロさんが記事に題して下さったとおり、他の兄弟とは違うことを親御さんがたにご理解いただきたい!というのは、全く正論です。さりながら現実的には、生来大きな凸凹を抱えたお子さんに「みんなと同じ」ことを易々と出来るごきょうだいがあったとすれば、どうあっても比べずにはいられないのが親御さんの人情、というものでしょう。

ヒロさんが『母と子が ともに笑いあう時が来ることを』願いつつ「親になる」ことを志すならば、ひとりっ子のアドヴァンテージは極めて大きい、と私は考えています。

【拙ブログの関連記事】『親の光は七所照らす』 『Parenting is Difficult or Not?

2019年2月28日木曜日

たったひとつの冴えたサポート

当事者の皆さんが、ひきこもりへ到ってしまった旨に理由があるように、皆さんの親御さんが、我が子への対応を誤りひきこもりを長期化させてしまった旨にも理由があります。当事者の皆さんが、大きくて深い不安ゆえひきこもってしまったように、親御さんも、我が子に対する不安があまりに大きく深かったゆえ対応を誤ってしまったのです。

だとすれば、我が子のひきこもりに悩む親御さんへの最善最上のサポートも、当事者の皆さんに対する最善最上の支援と、同じやり方を踏襲すればいい。

それが私の、この数年間に渉り敬愛するブログ『発達障害な僕たちから』で学ばせて戴いたお蔭様で得ることが叶った、たったひとつの冴えた結論です。

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2019-02-26
30年ひきこもった僕が社会復帰できた3つの理由 東大

4年前の今ごろでしょうか。青木と一緒に、東大大学院を終了後20年ひきこもった方を訪問しました。    
お母さんから「今まで色々な所に お願いしましたけれど、誰とも会わずに きた息子です。当日 会えないかもしれませんが、来ていただけますか。」とのことでした。  
しかし、彼に会うことが できた私たちです。僕と青木で、事前に お母さんから聞いていた彼の趣味などを元に、話す内容をあらかじめ考えていた僕たちです。   
それは大当たりでした。とにかく よく話し、笑いました。    
時間が来て、御自宅を後にしました。お母様が近くのバス停まで、お見送りしてくださいました。バスが見えた時に、お母様が短く こういったのです。   
「東大さん、あなたは ひきこもったけれど、今 こうして私と息子を幸せにしてくれました。息子の笑い声を聞いたのは20年前です。尊いお働きに感謝いたします。」そう言って僕の手を握ってくれました。   
僕は乗ったバスの車内で泣いてしまいました。少し前まで、命をたつことしか考えていなかった僕ですから。   
青木の言葉「人を助ける働きをしています。どうか力を貸してもらえませんか。」その通りになって 僕は ほとうに嬉しかったです。

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2019-02-27
20年間ひきこもった僕が 
もう一度 やり直す決断をしたわけ。Mr.Joe

日本ではなく、海外で やり直すことを話してくれた青木さん。   
そして、一足お先に海外で どん底状態から、人生をやり直したヒロさん。そのヒロさんが、僕たちのような人向けに語りかけてくれたビデオを見ました。   
こんな人もいるのか と驚きと希望を そのとき感じたのです。そのヒロさんが、僕の背中を後押しするために、学校の休みを利用して、僕に会いに来てくれました。   
「Joeさん、僕でも できたのですから、あなたも できますよ。人生を楽しいものにしましょう。僕も お手伝いします。」   
あの時のヒロさんの真剣でいて、優しさをたたえていた目を 僕は忘れることができません。   
まだ ヒロさんには お礼を言っていませんでした。 
ありがとう。本当に ありがとう。

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「東大さん」こと大野さんが『社会復帰できた3つの理由』、そしてMr.Joeが『もう一度 やり直す決断をしたわけ』、いずれも『最善最上の支援』と題しブログ『発達障害な僕たちから』との交流を回顧した拙文への、ご返信と解釈し有り難く拝読しました。

大野さんが挙げておられるとおり、ご自身もヒロさんもMr.Joeも大統領さんもバード君も、サポートセンターの支援を卒業できた皆さんが『全員回復』なさった理由は、『当事者の・当事者による・当事者のための支援、果敢に実践かつ地道に実績を積んで来た事実が、サポートセンター名古屋の“特性”であり“強み”』だからなのです。

と言うことは、我が子のひきこもりに悩む親御さんへの最善最上のサポートも、「当事者の・当事者による・当事者のための」支援を目指せば、実現が期待できるでしょう。

ただし留意せねばならない点は、ひきこもった(あるいは、ひきこもりのリスクを抱えた)我が子に対する不安を克己できた親御さんでなければ、サポートする側にはなり得ないということです。誠に遺憾ながら、ご自身のお子さんの将来に明るい展望を持てず、現在進行形で心に大きくて深い不安を抱えたままでは、子育ての勉強に励まれても心理の専門職の資格をお取りになっても精神医療の現場へ転職なさっても、どんなに「良いお母さん」だとしても、最善最上のサポートを実践する側にはなり得ないと私は拝見しています。

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この数年間、自身の娘に自家製支援を施す傍ら、私が交流を図らせて戴いてきたブログは『発達障害な僕たちから』だけではありません。ブログを綴っておられるのは、ひきこもった(あるいは、ひきこもりのリスクを抱えた)お子さんよりも、その我が子に対する不安を抱えた親御さん、殊にお母様がたが多いゆえの必然ではありますが、結果的に「我が子に対する不安を克己できた親御さん」の候補を探し求めるに有意義な渉猟となりました。

青木先生が、大野さんに向かって『人を助ける働きをしています。どうか力を貸してもらえませんか。』という言葉をかけたことで、30年近くも不安に閉ざされていた大野さんの心を解いたように、私もそのお母様へ「我が子が発達障害と断じられても、親御さんが希望を失わないような働きを志しています。どうか力を貸してもらえませんか」とご相談したことで、当方をご信用ご信頼戴ける『対等な関係』を築くに到れたのです。

いくら心理職の資格をお持ちでも、ご自身のお子さんの将来に明るい展望を持てず現在進行形で心に不安を抱えたまま、なのに上から目線で『平等ではだめ。公平であれ。』なぞと当事者へ屁理屈を吹聴してらっしゃるようでは、とてもサポートを実践する側にはなり得ていないと、ご無礼ながら嘆息を抑えられません。どうか一日も早く、ご自身の心の大きくて深い不安へこそ真摯に対峙して戴きたいと、蔭ながら願うばかりです。

【拙ブログの関連記事】『「良いお母さん」ができる最上