2019年1月27日日曜日

『魔法のことば』が効きました

通うべき所へ通い続けられる「配慮と我慢」の自発を最優先に据え、娘が大学生活に馴れてきた頃合いを見計らい2回生で早々に始動した就労支援の「予習」は、3回生の春学期を終えた時点で『何をしたいのか そのために何をすべきか』という認知を彼女自身が把握できる俯瞰へ達しました。その後ようやく修学支援へシフトし、すったもんだがありつつも4回目の春学期を終えたところで、卒業研究を除く所定単位を無事満了。

昨年夏には「みんなと同じ」ペースで大学から卒業見込のお墨付きを頂戴できましたが、ニッチな専門職に一旦就いたあと学資を貯めて留学するという自己投資の覚悟へ娘が到れた旨を幸い、夏休みから年末まで研究調査と論文執筆にガッツリ注力していました。

えぇっ?! さすがに4回生の夏には就活を始めさせなきゃマズいんじゃ?と思った親御さんがたには、僭越な物言い不躾ながらその附和雷同こそ「就活がうまく進まない」原因。「みんなと同じ」教育課程で積める「普通」の経験を通過させただけでは、いかに優秀な学業成績を修めていようと人間としての不備不足を抱えたまま長じてしまうのが、定型の枠を大きく外れたPolymorphous Developments=多様性発達者なのです。

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できないことが あまりにも多くありすぎて、残された時間を考えると、忍耐強いスタッフたちも焦るのは当然です。50代男さんが必死に頑張っているのは わかるので、スタッフたちは余計に あせるのです。   
30年間ひきこもった男の人の支援よりは、20代、30代の まだ将来性が多く残っている人たちの支援の方が、正直やっていて楽しいです。   
日本に帰る飛行機の中で、スタッフから なんども今後のスケジュールを確認された彼です。   
しかし、帰国した翌日に事務所に電話をかけきて「帰国は1月下旬に なりませんか。」と たずねてきたのです。   
電話に出たのが1番厳しいスタッフでした。 
「延期する理由が ありますか?」 
「・・・・・・」   
「ゆっくりしたいなら、ずーっと ゆっくりしても いいんですよ。決めるのは私たちでは ないですから、あなたが あなたの将来を決めることが できるのです。」   
「わかりました。ごめんなさい、予定通りフィリピンに帰ります。」   
私は空港に彼を迎えに行ったのですが、会えませんでした。彼は自分でタクシーに乗り、自分のマンションまで向かったのです。   
「ハーイ、東大さん、元気ですか? ごめさんなさい。突然ひとりでタクシーに乗ってみたくなりました。興奮して電話するのが遅れました。」「ハッピーニューイヤー」   
私からの電話に出た彼。全部 英語だし。ペラペラ大きな声で しゃべっているし。   
これは電話だ、電話。青木に、日本のスタッフに、報告です。

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2019-01-27
50歳は まだ大丈夫なのですか? ドラゴンズ

「本当に これで充分なの?」「これで もういいの?」「もっと ありがとうを言われたくないんですか」とスタッフさんが僕に機関銃のように聞いてきました。    
「・・・・・・」   
自分で考えてみました。   
「もう年ですから。これで充分なんです。」と答えました。 
「僕は充分じゃない。僕は幸せになりたい。結婚もするし、子どもも与えられて、幸せな家庭を築くんです。」と東大さんが びっくりするくらい大きな声で僕に言いました。   
「もう50ですから。」と私が言いました。
 僕は まだ57歳です!!」「青木と一緒にバンドを組んで、フィリピンの素人音楽コンテストに参加するのが夢なんです。」  
 僕は黙ってしまいました。   
車の窓から流れる人や風景を眺めていました。「ここは日本じゃないんだ。」と なんども つぶやいていました。   
私の住むマンションに着きました。私は車から降りる時にスタッフさんに質問しました。   
「僕は大丈夫だと思いますか。」 
「大丈夫です!!」と3人のスタッフが声を合わせて言ったので、少し笑ってしまいましたし、3人のスタッフも笑っていました。   
「あなたが まだ変わりたい と思い続ける限り、私たちは あなたの側で支援をしていくから。何も心配は しない!!」

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「東大さん」こと大野さんが、昨日の記事をブログへアップして下さったのは、日付が変わる直前でした。たぶん「50代男さん」ことドラゴンズさんが、この2本目の記事を書き上げられるかどうか、ギリギリまで待機して下さったのでしょう。

今はピンチヒッターにも難なく即応お出来になる大野さんですが、ブログを書き始めた当初は、なかなか2本目の記事が出ませんでしたっけ……きっと大野さんは書きあぐねてらっしゃるだろうと一番乗りでコメントさせて戴いた『励ます力』を、今度は大野さんからドラゴンズさんへ繋いで下さっている旨、何よりも有り難く拝読いたしました。

ドラゴンズさんを覚醒させた『魔法のことば』は、『1番厳しいスタッフ』さんが補塡して下さった『あなたが あなたの将来を決めることが できる』という自己承認。

そして成長の緒(いとぐち)は、謹厳な報告・連絡・相談で本人のフリーハンドを尊重する支援があってこそつかめる、という拙論への答え合わせに改めて御礼申し上げます。

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