2019年1月21日月曜日

成長の鍵は成功ジャナクテ人格支援

この4年あまり、発達障碍の二次障害で通うべき所へ通えなくなってしまった当事者・ご家族・支援者の日常を、拝読拝聴する機会に様々な奇遇で恵まれて参りました。

その『励ます力』を繋ぐ御縁に接しつつ私が抱き続けていた疑問は、お子さんがひきこもりへ到り長期に渉って継続してしまうご家庭と、すったもんだがありつつも再び通うべき所へ通い続けられるご家庭を、分かつ決め手は一体なにか?ということです。

ひきこもりのハイリスクを抱える我が娘への対処を学ばせて戴く、との必用も無論ありましたが、そもそもは私自身の好奇心が喚起して止まない疑義。そして当事者さんへの敬意と仁愛が主導するSense of Wonder の俯瞰を広めるにつれ、ひきこもりに陥るか否かを分かつのはお子さんが抱える障害特性の軽重より、むしろお子さんを取り巻いていた育ちの環境=家庭の文化が累積してきた日常である旨、徐々に拝察されて参りました。

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ご両親が このブログを読み続けてくださっています。お子さんに このブログを読ませたいそうです。    
まだ希望は あることを 息子さんに伝えたいそうです。それで、息子さんに このブログを伝えても良いか と手紙の中で質問されていました。青木さんに聞きました。    
「親子間で会話が ほとんどなく、家庭内暴力も みられるようなら、見せないほうが良い。」    
「親子間でコミニュケーションが常日頃あり、親のことを信じてくれているなら すぐにでも見せたほうが良い。」   
とのことでした。当たり前の返事でしたね。    
僕の場合は、両親から さりげなくサポートセンターの情報を伝えられました。積極的に「こんな団体があるから、行ってみないか」と言われたら、もちろん行きはしないです。   
強制的に何かを やらされると想像しますから。「こんな僕のような状況に、優しく そして徹底的に寄り添ってくれる人や団体なんか あるわけない。」と固く思っていましたからね。    
社会に戻れるための 具体的な方法。そして、それは修行や強制的なもの ではないこと。むしろ、楽しいこと。   
それが ひきこもっている本人さんたちに わかれば、この世から ひきこもりはなくなると僕は思っています。

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年末から年初にかけ、Mr. Joeの記事触発された山田さんの連載を拝読しながら、生来の五感や認知に障害と名指しされるほど大きな凸凹を抱えた当事者が成長する術は、「失敗体験を上回る成功体験」などという無理ゲーではなく、自己理解自己承認自己投資という(みなもと)・礎(いしずえ)・標(しるべ)であると論考させて戴きました。

引き続き皆さんの真摯な文章に貴い学びを見いだしつつ、今度は当事者さんの日常をサポートするご家族や支援者の視点から、成長の源・礎・標をスポイルしない導き方について考察を続けて参ろうと存じます。

最初に親御さん/支援者の皆様へ僭越ながら是非にもお願いしたい要諦は、度々の同じ文言恐縮ですが、お子さん/当事者の努力が結実した成果をご自分の自己承認の修復へ転用せぬ謹厳さでしょう。具体例を挙げれば「せっかく高校/大学/就職に合格出来たのに、通えなくなってしまった」といった落胆を、厳しく謹んで戴くことですね。

つまり、当事者さんの失敗を忌避しないご覚悟を、まずは導き手に据えて戴きたい。

「せっかく成功出来たのに、また失敗してしまった」という落胆や「失敗体験を上回る成功体験」などという要望を払拭できない心の裡には、お子さん/当事者の努力が結実した成果へ無意識に縋って、親御さん/支援者の自己承認を修復したいという欲求が潜んでいるのですが、ひきこもっている当人こそ他者を信じ頼みにして良いという自己承認に大きな不備不足を抱えています。支える側が僅かであっても私利私欲の片鱗を覗かせただけで、差し出された支援の手を振り払ってしまうほど彼らはナイーヴなのです。

我が子の為した成功へ無意識に縋って、親御さんがご自分の自己承認を修復したいと欲することは、「みんなと同じ」文化に於いては至極自然な感情であり、殊更に非難される謂われはありません。さりながら、Mr. Joeが表題に掲げて下さったとおり「失敗は成長に繋がっている」という信念を以て、当事者さんの修学就労のみならず人格ごとマルッと支え不備不足の補塡を援けて下さる導き手でなければ、「みんな」より遙かに大きな多様性を担って生まれた彼らの成長の扉を押し開くことは、まず不可能でしょう。

要は当事者さん生来の五感や認知と、ご家庭をはじめとする育ちの環境に醸成された文化の、相性が芳しくなかっただけなのです。親御さん/支援者の側も自らの自己理解自己承認自己投資という源・礎・標を意識して戴く旨が、お子さん/当事者の成長の源・礎・標をスポイルしない方策へ進む第一歩、ということですね。

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