つまり「通うべき所へ通えない」すなわち臨床や支援へ赴くことさえ出来なくなった、ホンモノの社会的ひきこもりの当事者像を、彼らは殆ど経験できていない。にも関わらず、診察や面談には通い続けられる軽度な不登校やひきこもりを以て、全て「わかったつもり」になっている所こそ、サポートセンターのブログを綴っておられる当事者の皆さんが、口を揃えてカウンセリングは役立たずだと証言する所以と私は考えています。
精神医療や心理の専門職でさえその調子なのですから、「みんなと同じ」枠から外れぬ旨こそ正しいと信じて大人になった「良いお母さん」にとっては、障害と名指しされるほど大きな凸凹を我が子が生まれながらに抱えている事実が、『わかるからよくて、わからないからダメ』という自己否定に囚われ、不信感・被害感を我慢できず怒りでしか反応できない「カサンドラ」状態へ陥っても致し方ないくらい、過大な難儀なのです。
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2019-02-07
過去の嫌なことを清算しないと前に進めない。ドラゴンズ
『僕の頭の中は、この4つのことが占めています。青木先生が それぞれ何割くらいに当たるのかを考えなさい といいました。
1、小、中、高までの学校生活が70%。
2、回復へ向けて努力している日々が20%。
3、30年間の引きこもり生活9%。
4、未来が1%。
「小、中、高までの嫌な思い出が 30年間のひきこもりを生み出したと思います。」と青木先生は言いました。
「嫌だったことを書きだしましょう。」と促されて、考えて書きました。でも与えられた時間では無理だったので宿題にしてもらいました。
でも1人で過去の嫌なことを色々と思い出す作業は とても辛いものです。過去の自分をもう一度 見つめ直す事は とても辛くて悲しい事です。
どうしてかというと、辛さや悲しさ、あの時なんでこんな風になってしまったのか と思い直してみても どうすることも できないのです。
過去なんか変えられないんだから。』
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丁寧に時間さえ掛ければ、重なった蚊取り線香も折らずに分離できたり、ラックの組み立ても難なく完成できたり、一定「みんなと同じ」ことを実行できるドラゴンズさん。単に『与えられた時間では無理だった』場合に、少しだけ猶予を設けて「宿題」にしてもらえれば、もっともっと出来ることが増えたのではないか、と私は拝察しています。
でも我々が(ヒルマ小母ちゃんは、ドラゴンズさんよりちょっとだけ年上の50代です。)小中学生だった頃は、今じゃ考えられないほど子どもが多かったんですよねぇ。ただ『与えられた時間では無理だった』ケースへも安易に「落ちこぼれ」というレッテルを貼り付けて、その子や親御さんを責めるだけ、という乱暴なやり方を憚らない先生がたも少なくなかった。
それから、教師の都合に合う子を贔屓して都合に合わない子を指導させるという、やはり今では考えられない状況さえありました。学業だけは不安が無かった私ですが、ドラゴンズさんと同様に『あの時なんでこんな風になってしまったのか と思い直してみても どうすることもできない』『小、中、高までの嫌な思い出』を抱えているのです。
ならばどうしてヒルマ小母ちゃんは、ドラゴンズさんと同様に/「東大さん」こと大野さんと同様に30年間、ひきこもらずに済んだのか?
その理由は、ADHDとして「理屈っぽくてへそ曲がりで愛想が無い」多動な脳に生まれついたのと同時に、その画像記憶力を駆使しメタ認知が2歳未満で覚醒するという稀な幸運にも恵まれたお蔭で、どんなに『辛くて悲しい』『過去の嫌なこと』でも自分も他人も責めることなく、しかし忘れずにキッチリ精算できる俯瞰へ到れたからなのです。
ドラゴンズさんは『勉強は、とても難しくてわかりませんでした』とのことですが、比類無き心の優しさをお持ちなのですから断然、大丈夫。先行く仲間、特にヒロ師兄がきっと素晴らしいお手本になって下さいますので、『過去を清算しない限り、前には進めないんだと』おわかり戴けたとなれば8割がた回復したも同然!と拝見しております。
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